Number 28
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順蹴のサッカーは〝ただ蹴るだけ〟? [順蹴FA]
先日の新年会の席でも、サッカーをご存知の保護者から『順蹴は、ただ蹴るだけになってない』『ポゼッションができない』という話を聞きました。
また、順蹴のゲームで笛を吹いていると相手チームから『蹴るしかできないぞ』と声が掛かります。
順蹴は〝ただ蹴るだけ〟のサッカーなのでしょうか?
いや、そんなことはありません。むしろ、現代サッカーの求める〝トータルフットボール〟に近いものではないかかと私は感じています。
でも、順蹴の選手はロングボールを多様することも事実です。はてさて、どういうことなのでしょうか?
それは、まずサッカーが『走るスポーツ』であることの確認が、中学生年代でしっかりと根付く必要があることが一つではないかと私は解釈しています。
だれが観ても〝順蹴のサッカー〟とわかるスタイルは、三戸代表の一貫した姿勢があるからこそだと思います。
攻撃面でも、守備面でも『数的優位をつくる』ということに対して、普段から非常に多くの時間を費やす。その数的優位を創るためには〝走る〟事は不可欠であり、場合によっては長い距離を走ることで、その状況を作り出すことも多々あります。
そこで、サボったり、走り切れないでいるとチームの力はガクッと落ち、勢いを与えることもできません。
順蹴のサッカーが『運動量』をテーマにしたものであることは間違いないと思います。
この運動量というテーマがチーム(ゲームにでる11人だけではなく、順蹴FAの全選手が)に浸透し、今の自分の走力、心肺機能の中で、それをやり切れているという状況になったのなら、さぁ、ポゼッションを上手に利用しょうということになるのではないでしょうか。
ボールを前に運びながら、チーム全体が相手のゴールを向き、相手の選手の位置もみてプレーできる。そこには、運動量というベースが必要ということが理解し、体現しょうとすることができている。これが最低条件となりますね。
このことの理解は、順蹴3年間 卒業を間近にして理解できる…というのが選手たちのパターンではあり、高校サッカーに挑んでいる順蹴OBが『三戸さんの言っていたことが分かった』と口々に話してくれます。
今回関東大会に進出したチームは、その理解が、先輩たちのチームより少し早くできたからこその結果だったのではないでしょうか。
このチームは、ボールを奪い、前に運べる状況をチームで察知でき、ツートップが動きだし(…経験の浅い陽軌くんは今一歩でしたが)、そこにMFがフォローに行き、サイドバッグが決定的な仕事をするというのが必殺パターンでした。
ひとつ前のチームは、ボランチで奪ったボールをFWの前に送るだけの展開で、サイトバックが関わる厚みが持てなかった。これは、サイドバックの選手だけの問題ではなく、チーム全体に『走る』ことが定着できなかった事が全てであると私は感じています。
さて、そこで、〝順蹴は蹴るだけ〟という話となりますが、これは、単に『仲間につながっていない』割合が高いことで、相手や、観戦者にそう感じさせてしまっているのではないでしょうか。
例えば、タカマド関東大会のフロンターレ戦。
順蹴のスタイルはまったくぶれないものでしたが、観戦者の誰一人として〝順蹴は蹴るだけだ〟なんてことは言いませんし、感じてもいなかったと思います。
そこには、チームコンセプトが浸透し、スペースに届けるという〝技術(テクニック)〟が介在していたからでしょう。
逆にドンドンとプレッシャーを掛けて奪い、スピードダウンすることなく攻撃に移るスタイルは現在の潮流にあったものであると感じたのではないでしょうか。
三戸代表は、ポゼッションが〝悪い〟とは一言も言いません。むしろ大好きではないでしょうか。でも、そのポゼッションが『走る』ということを欠いたものであるなら、それはまったく話が違ってきてしまいます。
オシム監督は、ジェフの監督時代に『うちの中盤は軽量級。だから相手より1キロ多く走ってフリーにならなければいけない』と話していたことがあります。
つなぐところがなくて蹴るロングボールであれば、ただ蹴っただけという話になってしまいますが、仲間が空けたスペースに対してロングボールを蹴るのであれば、そこには戦略があり、そこに蹴れるテクニックが介在していますね。
どうでしょう。回答になっていましたかね。
私も、まだまだ三戸代表の考えに並ぶなどというレベルでは到底ないので、もっと奥深いところで解説をお願いしたいということであるなら、直接三戸代表に尋ねることをお勧めします。
新1年生の間でも、『順蹴はパスをつながない』と思っている選手、保護者がいそうですが、それはちょっとニアンスが違うことはわかってもらいたいなぁ。
まぁ、『走る』ということに対しては間違いなく順蹴のチームカラーであることは確かです。
そして、スペースにボールを届けられるキックの精度、届けられないと思ったならば、どんな方法を使うのかという賢さは、U-14、U-13のチームは、ひたすら練習でしょう。
ちょっと気になったので、私なりの解釈でした。
今日から練習再開です。皆ハリキッテ練習だろうなぁ…インフルエンザの流行が心配。
昨年 貴チームの試合を見ました 蹴るのも悪くありませんが多くの選択肢の中から選んだ蹴るではないように見えました プレッシャーかけられてもドリブルで勝負するようなプレーはなかったように見えました 本文でもパスの出しどころのことを書いてますが 第1選択肢はパスなのですか? 中学生なんて勝負度外視で個人スキルをあげるような指導でいいのでは?
by 観戦者 (2012-01-25 23:44)
観戦者 様
ブログへのご訪問、コメントありがとうございます。
そうなんです。本当にまだまだ選択肢を自分で増やしていくことができずにもがいているのが順蹴の選手たちなんです。
必要に応じてドリブルという選択肢も持つことがゲームの中で出てくることを待っているのですが、なかなか時間が掛かります。
勝負は、負けるより勝った方が良いとは思っています。順蹴は、やれば勝利がついてくるほどの実力はまだないので、やるからにはミニゲームでもとは思っています。
by ruy0810 (2012-01-26 00:47)
・なんとなく、わかるような気がします。
TMなどではいろいろな選択肢にチャレンジして
欲しいのですが・・・。
by トッチー (2012-01-27 00:26)
不都合な外野の話は無視して今後も頑張ってください。
約25年前くらいの代表の動画見つけました。懐かしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=KmMZ3SvX8BA
by ごつ (2019-04-30 06:08)